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マローン (ギリシア神話) : ウィキペディア日本語版
マローン (ギリシア神話)
マローン()は、ギリシア神話の人物である。長母音を省略してマロンとも表記される。エウアンテースの子〔『オデュッセイア』9巻。〕。ディオニューソス〔エウリーピデース『キュクロープス』。〕、あるいはシーレーノスの子ともいわれる〔ノンノス。〕。
マローンはトラーキアのキコネス人(キコーン人)の町イスマロスアポローン神官で、大変に美味なブドウ酒の持ち主として知られる。
== 神話 ==
アテーナイオスによればマローンはディオニューソスの弟子とされる〔アテーナイオス、1巻33D。〕。エウリーピデースはディオニューソスの子で、シーレーノスに育てられたとした〔。またノンノスによればマローンはディオニューソスのインド遠征に従ったとされる〔。
シケリアのディオドロスによれば、マローンはエジプトの神オシリス(ディオニューソス)の弟子で、オシリスが世界遠征に従い、ブドウの栽培を世界に広める役目を担ったとされる。そしてマローンが老いるとトラーキアに都市マローネイアを建設し、そこで作物の栽培をさせたという〔シケリアのディオドロス、1巻18・2、20・2。〕。
後にオデュッセウスはトロイアから帰国するとき、イスマロスに立ち寄り、町を攻め落としたが、アポローンの神官であるマローンだけは保護した。そのためマローンはオデュッセウスに財宝と家族の限られた者しか知らない貴重なブドウ酒を贈った。後にオデュッセウスはキュクロープスの島を探索した際にマローンのブドウ酒を携帯し、ポリュペーモスをこのブドウ酒で酔わせて脱出した〔『オデュッセイア』9巻。アポロドーロス、摘要(E)7・2、7・4など。〕。
ピロストラトスによれば、マローンは死後、英雄の霊としてトラーキアの人々の前にしばしば姿を見せて、ブドウの世話をするとされた〔ピロストラトス。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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